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不動名水

不動明王

“武甲山塊の地中深く流れる水は此処に湧出して清流となり”
この銘水は、古くから住民の生活を成り立たせ、旅人の渇きを癒やし、人々に多大な恩恵を与え続けて来ました。
清冽なこの水は、いかなる日照りにも涸れることなく、打ち続く長雨にも濁ることを知らないと言います。
しかし、言い伝えによれば、過去の大地震の前にこの水が必ず白濁したと伝えられています。
それゆえ、古人は此処に社を建てて不動尊を祀り、付近の鎮守としました。
その社は古く江戸時代の久那村の地図にもしるされていますが、大正六年(1917年)石原の大火により焼失してしまいました。
後に地元住人有志の努力によって現在の社が建立され、大字久那地区の鎮守として人々の信仰を集めております。
特に社殿基壇の石垣の技法は見事なものです。

不動名水の碑

この「不動銘名水」は、武甲山の西端にあります。
武甲山は石灰岩の山で鍾乳洞・洞穴が多く見られ、特に橋立鍾乳洞は有名です。
武甲山に降った雨は地中に染み込み、岩石の隙間を縫って長い時間を掛けて移動し、自然に浄化されながら山の麓までたどり着き、そこで初めて清冽な湧水として地上に湧き出します。

以前、秩父市内には、武甲山の伏流水が湧き出る「七つ井戸」と呼ばれる湧水地が7ヵ所もあり、市内を流れる小さな水路も見受けられました。
昨今は上下水道整備などによる土木工事により水脈が切られ、枯渇した湧水が多い中、この不動名水は昔から変わることなく清らかな水の恵みを与えてくれています。

近年社会において、水道水の水質の悪化が人々の関心を呼んでいます。清く澄んでミネラルに富んだこの名水の存在は、恵の水としてますます貴重なものになることでしょう。